ミリペンレビュー1

ステッドラー ピグメントライナー


お高いので敬遠していたステッドラーのミリペン、漫画描き始めて何年よって感じの今更だが買ってみた。

結論:良い

やっぱりお値段高いといいんですかねえ…って感じ。なにか悔しい。
買ったばかりだからかもしれないけど、インクフローがよくてヌラヌラスルスル紙の上を滑る。先端が乾かないという触れ込みはほんとだった。万年筆よりすごいんじゃない?
どの角度からも描けて、デッサン鉛筆みたいな持ち方してもインクが出る。あと線に丸みがある。
手持ちで一番仕上がりが近いのはコピックマルチライナーだけど、こっちの方がぽってり気味。輪郭がボヤけ気味ともいう。

インクフロー良すぎてちょっと太めに出るけど、逆にそれで線に強弱がつくので、染料インクの描きやすさが好きな人にはこっちの方がいいんじゃない?!て思った。とにかく、この滑らかさははじめて。ファーバーカステルとか、外国のミリペンがみんなこういう感じだとしたら、私がモノを知りませんでした…ッてなるだけですが。

ミリペンは紙への引っかかりと、圧のかけ方で線が変わるので、多少つけペン的な使い勝手を探してしまっていたんですよね。でもつけペンほどの自由度じゃない。このジレンマをステッドラーは解放してくれる。そもそもの目指すところが違うから別物として心地よく「使いこなし」の努力がいらないのがすごく良いです。

あ、蓋を抜きやすいのも関節に難を抱えてる身としては助かる。
鉛筆みたいにミリペンを使いたい人にオススメ★
---------------

追記: ステッドラー0.1と0.05

上に引き続き、数日後、より細かい方のを買った。

感触は大体同じ。素晴らしい。
店舗で使ったときは台の高さが合わなくてうまく使えないかな?と思ったのだけど、家のデスクで描いたらフツーにトメハネハライ、入り抜きも問題なくできました。

ほんと鉛筆みたいで、持ってて使っててストレスがない。保持も楽で、不要な力がこもらない。
…サラサラ描く分には

漫画絵を描こうとすると、私には少し軸が細いかな〜。
下書きがあるとどうしても、ペンが滑らないよう、狙いが外れないよう無意識に手に力がこもる。楽にホールドするには軸径の太さが足りない。ぷにゅグリップ使うと改善するけど、それよりは下書きを最低限にして、勢いよく描いていくのが合う気がする。つまり上手い人向けダァー!ウボァー。

ステッドラーは全体にピグマ比1.5倍くらいの線の太さが出るので、005も、他のミリペンの持っているシャープさはない。

欧米の、線がずっと繋がってるようなラフテイストな絵とか、ジョジョみたいなインク溜まりを活かしたような絵、カフェのお菓子や店舗をラフに墨一色で描いたようなオシャレ絵、ああいうのに向いてる。

素晴らしいペンなのだが、画風まで引きずられて変わってしまうところに注意かな?

ホルベイン マクソン プロカラー


マクソンプロカラーとデリータのネオピコライン3
マクソンプロカラーとデリータのネオピコライン3

 


ヒグチユウコが使ってるのだから有名かと思いきや、普通の画材屋にはなく、ホルベインの通販もヤル気ない感じなので手に入れるのがなかなか面倒なシロモノ。
でもさすがは有名メーカー、ホルベイン。ニブに弾力があって筆圧で線をコントロールできる!

全然書き味は違うけどステッドラーのミリペンと同じくらい「他とは違う!」と衝撃を受けた。ピグマと比べると線が細めで、04ミリが通常の02〜03くらいの太さ。数字のイメージと実線の間に違和感があり、何本か買って確認してしまった。ただ、005は002かというとそんなことはなく、005以下はピグマの方が細いかな。

さて並んでいるのは見た目ソックリすぎるデリーターのネオピコライン3。もともとこちらのペンの軸が適度に太くてグリップが良かったから、プロカラーを試したところはあります。
プロカラーはほんとに金型一緒じゃね?ってくらいネオピコライン3とソックリなのでグリップも良く線もぶれない。ただ、ネオピコにほん〜の少しだけあったニブへの不満を解消してくれました!
「味」というより、正確な筆致を求めている人向け。ピグマほど引ける線の太さに幅がないので、アニメ絵に向いているかも?